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フィッシャー症候群という病気をご存知ですか?

知らない・聞いたことがない、という方が殆どだと思います。
実際、かなり珍しい病気です。
症状はある日突然眼に来ます。
両眼のピントが合わず、物が二重にも三重にも見えるようになってしまいます。

そんな病気と、実はここ3ヶ月程闘っていました。

自分の不幸を世間に晒すようで若干気が引けますが、不運にもこの病気にかかってしまった方、
あるいは周りの大切な人がこの病気にかかってしまった方のために少しでも参考になればと思い、
この病気についての説明と、発病から治癒に至るまでの経緯を記しておきたいと思います。
専門家が読むとおかしい内容・表現があるかもしれませんが、
そういう部分についてはコメント欄にてご指摘頂けると幸いです。

この病気には決定的な治療法がなく、難病という括られ方をしています。
しかし、時間が経てば必ず治る病気です。

勇気を持って闘って下さい(凡庸な言葉ですが、そうとしか言えません)。

以下、かなりの長文となりましたが、ご容赦下さい。
■症状
「目が動かなくなり、身体がふらついてうまく歩けなくなる病気」と定義されていますが、
症状の出方にはかなり個人差があるようで、僕の場合は主に目の症状が強く、モノが
二重三重に見えてしまう(複視と呼ぶようです)状態が、約3ヶ月間続きました。

■原因
完全にはわかってないようですが、風邪などをひいた後に、そのウイルスを攻撃する
べく自分の体内につくられる免疫細胞が、何らかの原因で自分の神経(視神経等)を攻撃
してしまう為に起こる、とされているようです。
言われてみれば確かに発病する少し前、咳がやたら出る風邪を1週間くらいひいてました。

■発症率
この病気によく似た病気にギラン・バレー症候群という病気があり、この病気の発症率は
年間10万人に1~2人、そしてこの内の約5%がフィッシャー症候群、とされています。
これを日本人の人口に換算すると年間50~100人ということですから、かなり珍しい病気
ということになりますが、僕の診てもらった神経内科のドクター(美人女医)曰く、神経内科
の世界では割とメジャーな病気ではあるようです。

■治療法
この病気は、発症してから約2週間が神経を攻撃される期間で、2週間を過ぎると緩やかに
自然治癒に向かうようです。
発症してすぐであれば、点滴(免疫グロブリン)やら人工透析(血漿交換)という治療法が
効果的なようですが(しかしながら結構副作用もあるようです)、僕の場合は病名の診断が
つくのが遅く、また既に回復期に向かい始めているという判断からこの治療法は取らず、
メチコバールというビタミンE12の錠剤をもらって毎食後1錠ずつ服用してました。

■発症から治癒に至るまで
●発症(06/3/28)
思えば数日前から体が猛烈にだるかった。ただの過労だと思っていた。
しかしこの日は上越地方の顧客に出張だったため、京都駅へ。
なぜか朝から膝が笑っているようなカクカクの状態で、最寄駅までの下りの坂道を歩いて
いても全然踏ん張りが利かない。
下りの階段もきつい。片足で体重を支えられないのだ。
そういえば、手も少し痺れているような気もする。
どうしたんだろう・・・と思いつつ駅で電光掲示板に目をやると、み、見えない!読めないのだ。
これは目もおかしい。大ショック!!
電車に乗っても、座席の番号が読みにくいような状態。
結局この日はフラフラしながらなんとか出張をこなし、深夜に帰宅。
  
●眼科受診(06/3/29)
翌朝起きてもやっぱり目がおかしい。なぜだ?
眼科に行けば治るだろう~、と軽い気持ちで午前中半休を取り、町の眼科を受診。
眼科的には異常なし、との判断。意外にも視力も低下していない。
両目で見ると見えなくて、片目ずつなら普通に見える(要はウインクすれば普通に見える状態)。
医者も首をかしげ、脳内出血等の可能性もあるので、脳外科に行ってMRIをとるように言われる。
にわかに得たいの知れない不安が募る。

●脳神経外科受診(06/3/29)
人生初のMRI。
全く問題なし。そりゃそうだ。じゃあ原因は何だ?
助けてくれ!

●再度眼科を受診(06/3/30)
昨日行った眼科に、MRI画像の写真を持って再度受診。
やっぱり診断がつかない。医者は突き放した様な高飛車な物言いだ。
気休めに(としか思えない)ビタミン剤とビタミン目薬を貰う。
神経が原因かもしれない、と言われ、医大の神経内科(神経内科なんて科は初めて聞いた)
の予約を取ってもらう。が、大変混んでおり2週間後でないと診てもらえないとのこと。
おい、俺はそれまでどうすればいいんだよ?
医者に食い下がり、医大の眼科に紹介状を書いてもらう。
しかしこの医者は態度の悪い医者だった。
医者なんて大っ嫌い、って思った。
 
●大学病院の眼科受診(06/4/1)
朝起きるたびに「治ってるかも?」と思いながら起きるのだが変化なし。
ここでもまた色んな検査をするが、目立った異常はないと言われる。
同世代と思しき医者はかなり楽天的で「原因は分からないけど、急になったものなら
急に治ることもあります」とか言っている。まったく他人事だと思って簡単に言うなよ。
絶望のどん底だ。
このまま治らないのか?もっと見えなくなるのか?
そしたら会社はどうなる?家族はどうなる?
俺はどうしたらいい?
レフティモンスター小倉隆史が大怪我をした時に病院のベッドの上で言ったという言葉、
「神様おるんか?俺、何かしましたか?」 が頭の中で回る。

●再度別の眼科受診(06/4/8)
発症以来、1週間ちょっと会社を休んで静養。
もう以前の普通の状態が思い出せない位、長い期間に感じる。
見えない眼の状態にも慣れて来たような感じ。
気を取り直して別の町医者を訪ねる。
ここのお医者さんはとても感じがよく優しかった。
医者の資格として、優しいことが第一であると実感。
しかしここでも原因は分からない。

●とりあえず職場復帰(06/4/10)
気のせいかもしれないが、若干回復してきた気がした。
いや、慣れただけかもしれないし、今思えばフラフラしていたが。
とにかくいつまでもダラダラ会社を休んでいるのも嫌なので、この日から会社復帰。
しかし、家にいるのと会社で仕事するのでは大違い。
PC見てるとしんどいし、通勤もけっこう厳しい。
駅のコンコースを歩くのも、人にぶつかりそうでかなりの恐怖。
いつまでこんな状態が続くんだろう?
 
●大学病院の神経内科受診(06/4/13)
前から予約していた医大の神経内科を受診。ちなみに担当医は美人女医。
一通り症状を話すと、あっさり「たぶんフィッシャー症候群でしょう」と一言。
後は、線の上をまっすぐ歩く検査と、人差し指で女医の立てた指先と自分の鼻を交互に触る
検査と、膝やら肘やらをトンカチで叩かれて反射を見る検査。
ちなみに、真っ直ぐ歩く検査では3~4歩でふらつき、指先を触る検査は眼も痛いしかなりしんどい。
腱反射はすべて消失。どこ叩いてもピクリともしない。
脊髄液を取って検査をすると、より明確な診断が出来るということで、脊髄から髄液を
採取される。
痛い痛いとは聞いていたが、マジで痛い。「うっ、クゥゥ・・・」と思わず声が出てしまう。
数時間後、「間違いないです、フィッシャー症候群ですね。」との診断が出た。
おぉ女神!良かったぁ、原因が分かって!!
しかも、「あと2週間位でよくなると思います」だって!まじで??
というわけで、2週間後に予約を取り、ホッとして帰宅。
あと2週間なんてあっという間じゃん!
この瞬間、精神的にはかなり救われた。

●大学病院の神経内科受診2回目(06/4/27)
回復予定の2週間が近づいても、殆ど変化の兆しのない俺の目。
結局さしたる回復もないまま、また病院を受診。
「個人差もあるし、長くても2、3ヶ月で治ります」と言われる。
おいおいおいおい、2週間って言ったじゃーーーん!!
はぁ。。。道は案外長いのかも知れない。
 
●大学病院の神経内科受診3回目(06/5/23)
発症以来、約2ヶ月経過。
この間、だいぶ良くなってきた感じはあるものの、5月に入った頃から斜視のような症状が出てきた。
右の眼球が内側に気持ち寄っているような感じ。
受診の結果、だいぶ良くなっているとの診断ではあるが、しかしまだまだ完治とは言えない。
念のため眼科も受診。斜視はフィッシャー症候群の影響によるもので、放っておけば治るでしょうとのこと。
ああ、俺の春はまだ来ない。もうすぐ世間は夏だというのに。

●大学病院の神経内科受診4回目(06/6/20)
6月に入って、急激に回復していると実感する。
まさに日を追う毎に良くなっている。
1週目を過ぎたくらいからは、もうほぼ完全に治った感じ。
斜視もある日突然治った。
その後も日増しに良くなっていく。おお、凄く見える!
自覚症状としては、もう何も問題ないぞ!
そして6/20、最後の診察。
「良かったですね、完治です。」
長かった。しかしやっとここまで辿り着いた。
自分で治ったと思ってるのと、やっぱり医者にちゃんと言ってもらうのとは大違い。
嬉しい。本当に嬉しい。涙が出そうな程嬉しい。
くじけそうになる俺をいつも励ましてくれた嫁さんと無邪気に遊ぶ子供の顔が目に浮かぶ。
美人女医もいつも以上に美しく見える。まさに女神に見えた。

●エピローグ
こうして僕とフィッシャー症候群の闘いは約3ヶ月で終わった。
苦しく長い3ヶ月だったが、改めて周囲の人々の優しさに気付いた3ヶ月でもあった。
快く休暇を取らせてくれ、仕事のバックアップをしてくれた部長、課長。
心配してこっそり自宅に電話をくれた元上司。
仲の良いお客さんの言葉にも、随分励まされた。
同僚、友人に救われたことは言うまでもない。
そして両親、祖父母、妻の両親。
何より最後に、愛すべき妻に、今一度、感謝の言葉を。


■関連ウェブサイト
 難病情報センター 特定疾患情報

■参考書籍(白内障の体験記ですが、眼の病気の方は是非)
小林よしのり 目の玉日記 小林よしのり 目の玉日記
小林 よしのり (2006/03/07)
小学館

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 関西医科大学附属滝井病院
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